2022年2月18日、金相場が実に1年半ぶりに過去最高値を記録しました。
日本国内の金相場が2020年8月に7,676円に達して以来の高水準価格となり、その後連日最高値を更新しています。
どこまで相場が上がっていくのか、売り時はいつなのでしょうか。
目次
上がり続ける金相場
2022年2月28日現在、日本の金相場が7,847円となり先週末より実に20円も上昇しています。
2月18日に過去最高値を出してたったの10日程で実に200円近くも上昇していることになりますね。
短期間でこれほどまでに上昇している理由を紐解いていきます。
ロシアのウクライナ侵攻
2月24日にロシアがウクライナ東部のロシア派、反政府独立組織が勢力を保っていた地域が「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」と独立宣言をしたことをロシアが承認し、支援を目的にウクライナ国内に軍を進めたことでウクライナの侵攻が始まりました。
ロシアが承認した2国家の防衛だけでなく、危険排除という名目の元ウクライナ全土に兵を進めており、現在首都キエフにも攻撃をしかけているとみられます。
ロシアがウクライナを侵攻したことで、様々な懸念から安全資産と呼ばれる金の価値があがってきています。
地政学的リスクによるインフレの加速
ロシアのウクライナ侵攻に伴い、NATO諸国はロシアをSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除するという合意を2月27日に決議しました。
2月28日現在、排除される銀行名は指定されていませんが、SWIFTから排除された銀行は外国の通貨との取引が一切できなくなりますので、その銀行は勿論、関連企業まで輸出・輸入が一切できなくなります。それは中国やベラルーシのようなロシアと近しい国家でさえも例外ではありません。
ロシアが輸出入できなくなってしまうと、天然ガスや石油のエネルギー源をロシアに頼っているEU諸国の燃料価格の高騰が予想され、インフレの加速が予想されます。世界的にインフレが起こってしまうと、物価が上昇し相対的に貨幣の価値が下がり、インフレヘッジとして安全資産である金への資産流入が起こり、金プラチナの価値があがります。
売り時はいつなのか?
現在金資産を保有している方からすると、この高値更新はいつまで続くのかといったことが気になります。
ただ前述しました通り、今回の金相場上昇は戦争を起因としたものになりますので、ロシアとウクライナが停戦した際には相場はある程度落ち着いていくのではないかと思われます。
SWIFTからの排除の動きも相場には当然影響してくるでしょうが、まずはロシアによるウクライナ侵攻の動き次第ではないでしょうか。
逆に考えるならば、情勢が安定しない限り金相場は高値を付け続けるでしょう。
世界情勢を見極め、損をしない売りを確定させましょう。